2013年8月31日土曜日

ユークリッドの互除法

最大公約数 (Greatest Common Divisor) を求める方法


二つの自然数を a, b とする。

ただし、 a >= b である。


a / b の剰余 を r とすると、
(式で書くと a = b * q + r である)
 a と b の最大公約数は、 b と r の最大公約数に等しいので、


b / r の剰余を r2 とする、
(式で書くと b = r * q 2+ r2 である)
 b と r の最大公約数は、 r と r2 の最大公約数に等しいので、
...(続く)...

剰余が0になった時の除数=分母が、最大公約数である。




1071 と 1029 の最大公約数を求める。
  • 1071 を 1029 で割った余りは 42
  • 1029 を 42 で割った余りは 21
  • 42 を 21 で割った余りは 0
よって、最大公約数は21である。

補足

二つの自然数の代わりに、二つの数式としてもよい。

他の最大公約数を求める計算方法には、素因数分解が知られているが、
ユークリッドの互除法がはるかに早く求まる。(ラメの定理)

連分数展開で表現することもできる、例えば例は、
1071/1029 = 1 + 42 / 1029 = 1 + 1 / ( 1029 / 42 ) = 1 + 1 / {24 + 21 / 42} = 1 + 1 / { 24 + 1 / ( 42 / 21 ) } = 1 + 1 / { 24 + 1 / 2 }

ガロアの理論ノート

「ガロアの理論」という数学書の読書ノート

ユークリッドの互除法
組み立て除法

二次方程式の解法
  二次方程式の解法2

三次方程式の解法
  カルダノの解法
  三次方程式の解法2

四次方程式の解法
  フェラリの解法
  オイラーの解法

五次方程式の解法の探求

方程式の解法の定式化

ラグランジュの研究
ラグランジュの分解式

チルンハウゼンの解法

根の有理式

方程式の代数的解法

ウェアリングの結果

ルフィニの構想

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既約方程式

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代数的解法

五次対称群の非可解性
既約方程式の群
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ウェーバーの構想

代数的に解けない方程式

デデキンド

数体
拡大体
自己同型
不変体
自己同型群
中間体
部分群

2013年8月4日日曜日

複素数の平方根、n乗根

複素数の平方根、三乗根、さらに進んでn乗根を求めるにはどうすればいいのか。

結論

複素数の平方根やn乗根は、簡単に定義できません、
理由は、二乗、n乗すると目的の数に一致する複素数が二個、n個あるため、
その内のどれにすればいいのか、あらかじめルールを作ることが難しいからです。

二個の平方根、n個のn乗根をすべて求める方法は、後で説明します。

あらかじめルールを作ることが難しいことも、後で説明します。

補足

平方根、三乗根、さらに進んでn乗根の根号の中は、
普段は正の実数に限るようにしておくことが、
式の計算を安全・正確に進めるコツです。

考察

二個の平方根をすべて求める


複素数 z を極形式で表現して
z = r (cos theta + i sin theta) ...(1)
とする。
r は、ゼロまたは正の実数であり、 θは実数である。

ド・モアブルの定理(De Moivre's theorem)
(cos theta + i sin theta)^n = cos n theta + i sin n theta ...(2)

から、二個(or 関係 = どちらも有効 で)求まります。
sqrt{z} {=} over {(define)} ~ pm sqrt{r} ( cos theta / 2 + i sin theta / 2 ) ...(3)

n個のn乗根をすべて求める

オイラーの公式
e ^ {iz} = cos z + i sin z ... (4)
を使うと、複素数 z の極形式はさらに簡潔に表記できる。
 z = r e ^ {i theta}...(5)
この式で、書いてみよう。
複素数zのn乗根は、
root{n}{z} {=}over{(define)} root{n}{r} ~ e ^ {{theta + 2 p pi } / n i} (p = 0, 1, 2, ... n - 1)  ...(6)
右辺は、p が 0 から n - 1 まで、n回変化したバージョンがある、つまり n 通りである。

ここで、

e ^ {{2 p pi} / n i} (p = 0, 1, 2, ... n - 1) ...(7)
は、1のn乗根である。
e ^ {{2 p pi} / n i} = (e ^ {{2 pi} / n i}) ^ p ...(8)
なので、p = 1 の場合の
e ^ {{2 pi} / n i} ...(9)
をpべき乗していくことで、
つまり指数的には、p倍数化していくことで、
すべての1のn乗根が尽くされる。

1のn乗根列は、複素平面での単位円のn等分点に相当する。
正n角形の頂点である、ただし、1を頂点とする。

この正n角形の頂点を θ/n  だけさらに回転したものが、
e ^ {{theta + 2 p pi} / n i}  (p = 0, 1, 2, ... n - 1) ...(10)
である。

複素数zのn乗根は、正の実数 r (複素数zの絶対値 = 複素平面での原点からの距離)の
n乗根と式(10)をかけたもの = 式(6)になる。

あらかじめルールを作ることが難しい

数学の便利なところは、等式の変形が、
一定の方針(展開するとか因数分解するとか)の下であれば、
ほぼ自動的に計算されていくことである。

この自動計算のステップ(式の変形)では、
同値関係を前提にして進められる。
だから逆方向に辿ることも簡単にできる。

が、除算のように分母が0では意味がなさない演算があると、
自動計算を進めることは簡単にはできない。

分母が0の場合と0以外の場合の二つに分岐する。
つまり、逆方向に辿るには、すべての分岐を揃える必要がある。

複素数のn乗根の計算では、分岐がn個に膨らむので、
取り扱いがわすらわしいのである。
n乗根のどれか一つだけについて計算していくと、
どこかで破綻をきたすことになる、
n個を平等に扱って計算をすすめないといけない。

2013年8月3日土曜日

数の世界の広がり(虚数・複素数)

数の世界で、平方根の中が負の数になる場合があります。

具体的には、
二次方程式
a x ^ 2 + b x + c = 0

の根の公式
x = {-b pm sqrt{b^2 - 4ac}}/{2a}
の根号の中が負の数
b^2 - 4ac < 0
となる場合です。

でも、根号の中が負の数というのは、
二次方程式の左辺の二次関数がx軸と交わらない時だから
解無しとして実用上は十分で、
これ以上計算する必要はありません。
そのはずでしたが、、、。

平方根の中が負の数になる場合が必要な理由は、
二次方程式より三次方程式にあります。

三次方程式の解法では、
途中で二次方程式を解き、
その解の値を元にした三乗根を求めて最終的な解を得ます。
途中の二次方程式の解の公式の根号の中が負の数になってしまうことが時々起きます。
だから、根号の中が負の数という状態を認めないと、
計算できないことになります。

もちろんその他にも色々な理由(今は思いつきませんが)があって、
虚数・複素数が便利で必要な数であるとなったことは間違いありません。

私たちは、結構無頓着に
sqrt{-1} = i

と、定義していますが、もう少し厳密に考えましょう。

根号の中が正の数(例えば2)のとき、sqrt{2}は二乗すると2になる正の数を意味します。
一方で二乗すると2になる負の数を- sqrt{2}と表記します。

根号の中がゼロの時、sqrt{0} は二乗すると0になる数でこれは0だけです。

厳密に言っていきます。

虚数単位 i は、二乗すると -1 になる数です。が、sqrt{2}の場合との類推から、二乗すると -1 になる数は二個あっておかしくない、むしろ積極的に二個あることになります。しかし、その数は、実数ではないので、正の数と負の数という分類をすることができません。とりあえず、二つある方の片方を i と定義したとき、残りの片方を -i と定義します。 -i は負の数ではなく、負の虚数単位です。で i は、正の虚数単位です。

実際に、二乗すると -1 になる数は、i と -i であるとすると、全てが調和します。

しかし、最初に i とした方を -i として、 -i と した方を i としても、まったく問題がありません。もともと区別がついていない同質ものを区別したことで、複素数空間全体に見通しがついたのです。

しつこいですが、二乗すると -1 になる数が二個ある、どちらをどのように名前をつけるか(i と -i)は、まだ決まっていない。片方を、i と定義したら、片方は -i と定義付けることにする。

i と -i は、本質的には区別できない同質のもので、0を挟んで鏡像の位置にある。たまたま片方を i とすれば別の片方は-iになる。

数学の勉強で、共役複素数がよく出てきますが、その意味や考え方の大本は、i と -i の定義の仕方に由来していると、私の場合40年以上掛かってようやく理解できました頭悪いなあと思います。

i + (-i) = 0, ~ i * -i = 1
(a + ib) + (a - ib) = 2a, ~ (a + ib)(a - ib) = a ^ 2 - (ib) ^ 2 = a ^ 2 + b ^ 2

複素数の世界は、複素平面で表されますが、実数軸を境に上下対象の世界が良く出てきます。

これは、「三次元では右回転と左回転は同じ」にも通じるのかもしれません。

このように虚数単位 i を導入することで、複素数が定義され、複素数は a + i b と表現されたり

r(cos theta + i sin theta)
と表現されたりします。

複素数は、二つの実数の組みで一つの数を表すことになりますが、その加減乗除の演算で二つの実数と虚数単位が巧妙に絡み合います。

そして、正の数、負の数という符号に対する乗算を複素平面の回転に置き換えることになります。

つまり、乗算を回転角度の加減算に置き換えるのです。

さらに、回転というものにより、乗除算と加減算の関係を明らかにし、べき乗での指数における乗除算と加減算の関係を結びつけて、角度に関する cos sin の三角関数とべき乗に関する指数関数に深い関係があり、
e ^ {i x} = cos x + i sin x
が導かれます。
この式から、数学で最も美しい式とされるオイラーの等式(Euler's identity)
e ^ {i pi} + 1 = 0
に到達します。

乗算を回転角度の加減算に置き換えることにより、二乗は二倍回転、三乗は三倍回転、n乗はn倍回転、平方根は、半回転となり、三乗根は、1/3回転、n乗根は、1/n回転となります。

つまり、べき乗と開平計算は回転角の等倍と等分割に対応するため、n次方程式の解法計算では、複素数の世界を超えることはありません。このことが、代数学の基本定理「複素係数のn次方程式の根は、n個ある」ことを暗示します。

-1 の平方根が二個あると説明しましたが、複素平面という二次元の世界では、二個ありますということです、三次元やさらに高次元で考えるとどうなるのでしょう。複素数は二元数と言えるので、三元数を考え、-1の平方根が、iと-iを通る複素平面に直行する単位円になるという定義ではどうか、、、。このような三元数は、加減乗除の演算を定義できればいいのですが、どうもできないようです、つまり三元数は存在しないことになるようです。

聞いた話ですが、理論上は、四元数が発見されており、四元数の世界では、-1 の平方根は、無数にあり、四元数空間での単位球上のすべての点が、-1の平方根となるそうです。残念ながら、四元数が方程式を解く流れの中から発見されたものではなく、もっと人工的で恣意的な探索で見つかったものです。が、四元数の研究が進むに連れて、深い理論の世界で四元数の体系が有効になる時が多々あることがわかってきているようです。

四元数の先には八元数があるそうです。どうも無制限にあるようですね。


数の世界の広がり(二乗と平方根)

加算(addition)を何度も繰り返す(repeat, do over again, reiterate)ことを簡略(simple, simplify, brief)することで、乗算(be born; come into being, see the light, be a result)が生まれました。

2 + 2 = 4
2 * 2 = 4

2 + 2 + 2 = 6
2 * 3 = 6

2 + 2 + 2 + 2 = 8
2 * 4 = 8

[雑談(idle talk, small talk)]
群論(group theory)に出て来る環(ring)の定義(definition)では、
加算も乗算もその意味を失い(lose a meaning)
互いの相対関係(relative relation)のみにまで抽象化(abstraction)されています。

乗算は、面積(area, square measure)を数える方法(a method; a way)に利用されます(be used)

[雑談]面積とは、縦(height length)と横(width)の組み合わせひの数字(二次元(two dimensions))から広さ(area, extent)という一次元(one dimensional)の数値への写像(mapping)

長方形(rectangle, oblong)の面積は、縦 × 横 で求まります(obtained by, got by)

[雑談]面積が解り、縦が分かれば、横は除算(division)計算で求められる。

横 = 面積 / 縦

正方形(square)なら、縦と横が等しい。

正方形の面積から、二乗(square, multiply a number by itself)の計算(calculation; computation)が始まります。

二乗のことを自乗ともいいます。

正方形の面積 = { 一辺 } ^ 2

正方形の面積が解っている時、辺の長さはいくつになるかという問題(a problem; a question)

そこから、平方根(the square root)を求めることが必要になるはず。


sqrt 4 = 2

[雑談]この問題が現実に(actually)発生する(accrue; arise; germinate; occur; proceed)ことは少ない(rare)なあ、もっと平方根の必要性(necessity)を実感(realize)したい。

ピタゴラスの定理(Pythagoras' theorem, Pythagorean theorem) 直角三角形(a right triangle, a right‐angled triangle)の二辺の長さ(length)をa,b, 斜辺(a hypotenuse, an oblique side)の長さをcとすると
a^2 + b^2 = c^2
この式でa,bからcを求めるとき
c= sqrt{a^2 + b^2 }
このように、平方根の計算が必要になります。

例えば、家(a house)を設計する(architect; configure; contrive; design; draft)時、
屋根(a roof)が斜めになっている(sloping, oblique, incline)から、
屋根の斜辺の長さを求めておかないと
材料(materials; stuff)を無駄にしてしまいます(to render futile; to bring to naught; to waste)


実際に平方根を計算するには、色々な方法があります。
最も能率がいい(efficient)方法もあります。

現代で最も簡単な方法は、電卓に計算させること。

電卓の中では、昔の知恵者が編み出した方法で
計算がされています。
その方法はいずれ紹介するとして、先に進みましょう。

平方根は二乗すると元の数になります。

負の数(negative number)を知っている人は、負の数を二乗すると正の数(positive number)になることも知っています。

-1 ^ 2 = 1, -2 ^ 2 = 4

だから、平方根の計算では、負の数側の答えも忘れてはいけない、と考えるほうが好ましい。

したがって、ルールとして 平方根の根号(a radical sign)の記号は、正の数を意味することにして、
負の数側の答えの前には、マイナス符号をつけることにしました。

x ^ 2 = 2  ~ doubleleftright ~  x = sqrt{2} ~or~ x = - sqrt{2} ~ doubleleftright ~ x = pm sqrt{2}
sqrt{2} が、有理数(a rational number)ではない数、つまり無理数(an irrational number, a surd number)であることは、有名な(famous; notable)話です。しかし、建築(architecture,  building, construction)や工業(an industry)など科学(science)技術(technology)でも、銀行(a bank)のお金(money)の計算でも、実際は有理数までしか計算で扱い(handle, operate)ません、無理数は必要な程度まで精度良く(accurately;precise)近い小数値(fractional value)=つまり有理数で近似して(approximate)利用しています。

[雑談]有理数は、整数(an integer)と整数を組み合わせた分数(a fraction)で表される数、小数は整数の分数にできるから有理数、無理数は有理数にて表せられない(can't be put into, show, display, indicate)数。

[雑談]「無理数は有理数にて表せられない数」とは、随分と雑な(careless)分類(classification, grouping)です。いずれ詳しく(particularly; in detail; fully; minutely; at length)調べたいと思います。

二次方程式(a quadratic equation)
a x ^ 2 + b x + c = 0

なるものを解く(solve)必要があるのは、先ほどの建築などの形状(shape; form)の設計でのピタゴラスの定理の応用(application)だけでなく、物理学(physics)の力学(dynamics, mechanics)における地表付近(near a ground)の物体(an object, a material body)の等加速度運動(uniformly accelerated motion)の計算に用います。

二次方程式の解の公式(a formula)
x = {-b pm sqrt{b^2 - 4ac}}/{2a}
を、見ていると、
根号の中が負の数になる場合がありそうだと
誰でも気が付きます(to notice; to become aware; to perceive; to realize; to realize)

次回は、虚数(an imaginary number)・複素数(a complex number)