三次方程式の根と補助方程式の関係を探る2

3次方程式
 ...(1)
の3根
 ...(2)
とすると、根と係数の関係から
 ...(3)
 ...(4)
 ...(5)
である。

ここで、3次方程式を解く時に途中で出て来る補助方程式を
 ...(6)
とする。
前記事で説明したが、この補助方程式の根の一つは、
 ...(7)
である。

(6)は、補助方程式なので、3次方程式(1)から、式の変形で求まる。
(実際、カルダノの方法ではそうして求まっている)

この式の変形は、四則演算なので、補助方程式(6)の係数は、
3次方程式(1)の係数 a,b,c,d から四則演算で求まる。

この、a,b,c,d は、(3),(4),(5)から、を平等に含む。

(平等に含むとは、を互いに入れ替えても、
入れ替えは順列で6通り、変わらない同じ式になるということ
これをについての対称式という)
したがって、
補助方程式(6)の係数は、を平等に含むa,b,c,d から四則演算で求まるから
最終的な式でも、。を平等に含む。

ところで、(7)は、(6)の根なので、これを代入すると、
 ...(8)
ここで、(8)をもう少し、簡略に書き、補助方程式を
 ...(9)
と書くことにする。
(9)は補助方程式を3次方程式最終的な根  で書いたものである。
これは、どのような係数の3次方程式でも常に成り立つのである。
そして三根、 には、特別定められた順序というものはなく、
どれも平等の関係にあるので、補助方程式(9)は、根の順序を入れ替えた補助方程式
 ...(10)
 ...(11)
 ...(12)
 ...(13)
 ...(14)
でも成り立つはずである。
これは、補助方程式の根は6種類あるということで、
その根は、前記事からも解るが
 ...(7) (再掲)
...(15)
...(16)
...(17)
...(18)
...(19)
となる。これを書き直しし、
 ...(20) ((7)から)
 ...(21) ((18)から)

 ...(22) ((17)から)

 ...(23) ((15)から)

 ...(24) ((16)から)

 ...(25) ((19)から)
とし、補助方程式(6)を書き直すと
 ...(26)
展開計算をする。

 ...(27)

ところで、
 ...(28)
なので、
 ...(29)

 ...(30)
となる。つまり、補助方程式は、 の2次方程式であるはずとなる。

三次方程式の根と補助方程式の関係を探る

「ガロアの理論」矢ヶ部 巌 著では

18世紀の数学者ラグランジュの1770年の論文
「方程式の代数的解法についての省察」
の解説が出ている。

3次方程式の根と補助方程式の関係を探ることであり、
補助方程式が6次方程式となる理由を説明している。

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3次方程式
 ...(1)
をカルダノの方法で解けるのだが、それによると(雑だが)
補助方程式
... (2)
のニ根で、その積が
...(3)
となるものを
 ...(4)
とすると、
 ...(5),(6),(7)
である。ただし、
 ...(8)
であり、
 ...(9)
である。

ところで、 を で表してみよう。
まず、(5),(6),(7)にを作用させての係数を消すと
 ...(10),(11),(12)
となる。(10),(11),(12)の両辺を加えて、(9)を使うと
...(13)
を得る。同様に(5),(6),(7)にを作用させての係数を消して得られるのは、
 ...(14)
(2)は、6次方程式だから、と以外の残り4個の根は、
, , ,   ...(15)
となる。詳しく書くと、
 ...(16)
 ...(17)
 ...(18)
 ...(19)
(13),(14),(16),(17),(18)を見比べると
に対して、 の3個を並べ替えて係数としている
と考えることができるし、
反対に、 に対して、 の3個を並べ替えて係数としている
とも、考えることができる。
3個の物を並べ替える方法は何通り在るか。

である。